胃潰瘍の原因はピロリ菌の感染が7割から9割である
胃潰瘍の7〜9割にピロリ菌が関与しているとされています。
(技術評論社 病気を見きわめる胃腸のしくみ辞典 より引用)
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者の80〜90%がピロリ菌に感染しており、除菌することによって再発が顕著に抑制されることがわかったのです。
(女子栄養大学出版部 消化がよく胃腸にやさしい胃・十二指腸潰瘍の安心ごはん より引用)
胃・十二指腸潰瘍は、おもにピロリ菌感染症とNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の副作用によって起こる。
(成美堂出版 全部見えるスーパービジュアル消化器疾患 より引用)
【胃潰瘍とは】
胃潰瘍(いかいよう)とは、胃液によって胃の粘膜がただれたり、深く傷つく病気。自分の胃液で胃の粘膜が消化されておこる。中高年に多い。
食物を消化するために、胃の粘膜から胃液が分泌される。この胃液は非常に強い酸性で殺菌性がある。
胃も胃液によって溶かされるのだが、防衛機能として粘膜から粘液やプロスタグランジンなどの物質がでて胃の粘膜を胃液から守ってくれている。
しかし、ピロリ菌に感染すると胃の粘膜に炎症がおこる。ほかにもストレス、薬の副作用などにより胃液による攻撃機能のほうが強くなると胃液によって胃壁が溶かされる。これが胃潰瘍だ。
胃壁は5つの層でできている。内側から粘膜層、粘膜筋板(ねんまくきんばん)、粘膜下層、固有筋層、漿膜層(しゅうまく)の順になる。ちなみに粘膜層だけがただれている場合は「びらん」。その下まで傷があるものを潰瘍という。
【胃潰瘍の症状】
胃潰瘍であらわれやすい症状は
・みぞおちの痛み
・吐き気
・吐血
・下血
・タールのような便がでる
・食欲不振
・胃もたれ感
・げっぷ
・胸やけ
・呑酸(どんさん)
潰瘍が進行すると命の危険もあるため、痛みや出血があるときは早めに受診しよう。
胃に穴のあく穿孔(せんこう)から腹膜炎を発症することもある。胃や十二指腸の壁に穴があくと、内容物が腹腔内にあふれだして急性腹膜炎をおこす。命にかかわるため緊急手術が必要になる。
【胃潰瘍ができる原因】
胃潰瘍の原因は
・ピロリ菌(7〜9割)
・薬による副作用(NSAIDs)
・ストレス
・不規則な生活
・過労
・暴飲暴食
・早食い
・酒
・タバコ
などがある。ストレスや不規則な生活は自律神経を乱す。
とくにピロリ菌が出すアンモニアと毒素で胃の粘膜が傷つく。胃潰瘍の7割から9割にピロリ菌が関与しているといわれている。十二指腸潰瘍の患者の約100%がピロリ菌の保菌者であるという報告もある。
胃に負担をかける早食い、暴飲暴食、香辛料などの刺激物を好んで食べることも原因になる。ゆっくりよく噛んで腹八分目を心がける。過度の飲酒も避けよう。
また喫煙者は胃潰瘍のリスクが吸わない人の3倍であり、禁煙しなければ約半数が再発する(禁煙すると再発は約16%まで低下)。
NSAIDs(エヌセイド、エヌセイズ)は炎症や痛みを抑える薬で、非ステロイド性消炎鎮痛薬のこと。風邪や頭痛、腰痛、血栓予防の治療にもちいられる。アスピリンがもっとも有名で、ほかにもイブプロフェン、インドメタシンなどがある。
副作用に胃酸の分泌が増えたり、胃の粘膜の血の流れが悪くなる。薬によってホルモンや神経の働きのバランスが乱れる。
【胃潰瘍の治療法】
ピロリ菌の除菌が基本。ストレスがあれば解消する。出血がある場合は内視鏡を使って止血が行われる。内視鏡で止血できなければ外科手術などに移る。
出血がなければNSAIDs(腰痛の薬など)を使っていれば、使用を中止する。NSAIDsを使用していなければピロリ菌がいれば除菌、いなければ通常の薬物療法となる。
ふだんから規則正しい生活を心がけ、栄養バランスのとれた食事をする。禁煙をする。よくなったからと薬の服用をやめない。そして定期的な健診を受けよう。気分転換をしてストレスをためない。職場がストレスの原因なら、部署の移動や転職するなどして環境を変えてみるのも手だ。
食事は胃腸に負担をかけないものにする。おかゆ、りんご、半熟卵、刺身、うどんなどは比較的消化と吸収に時間がかからず、胃の粘膜を刺激したり胃酸を過剰に分泌させない。逆に消化にもっとも時間のかかるのが油脂(脂質)だ。消火・吸収されるまで12時間もかかるバターは避けたい。
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