ピロリ菌の死滅作用がある緑の抗がん野菜ブロッコリー
スルフォラファンにはピロリ菌を殺菌する効果がある。
(2002年、アメリカのジョンズ・ホプキンス医科大学でガン予防の研究をしていたポール・タラレー博士の発表による)
ブロッコリーとブロッコリー・スプラウトに含まれる「スルフォラファン」という成分に、胃炎の原因となるピロリ菌の活性をおさえ込んで、胃炎を改善させる効果がある。また、ピロリ菌の増力をおさえて、細胞のがん化を防ぐ効果も。
(医学博士 江田証 著 専門医が教えるおなかの弱い人の胃腸トラブルより引用)
スルフォラファンは、胃がんの元凶ともいえるピロリ菌を除菌することがわかりました。フランスの病院で胃炎や消化性潰瘍の治療を受けていた患者さんから採取した菌株を使って実験したところ、従来の抗生物質では効かなかった耐性菌にもすべて有効性を示し、スルフォラファンには抗生物質に匹敵する効果があることがわかっています。
食物として摂取するスルフォラファンは胃に直接入って高濃度に蓄積されるため、除菌の障害となる多くの難題をクリアしました。48種類もあったすべてのピロリ菌に静菌・殺菌効果を発揮し、スルフォラファンに抗生物質としての特性があることを示したのです。
(サカイ優佳子 ガンを防ぐ野菜の王様 ブロッコリー・スプラウト おいしい健康レシピより引用)
ピロリ菌は胃の粘膜に住み着いて、胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・さらには胃がんまで引き起こす可能性がある。しかし、強い胃酸の中で生き残る菌だけに強い薬で殺菌しなければならない。とうぜん薬には副作用もあるし、薬に耐えて殺菌が失敗することだってある。
薬が使えない人や薬を使いたくない人のために、自然な食品でピロリ菌を減らすことはできないか。それができたら、それに越したことはない。
そこでブロッコリー・スプラウトの出番になる。ブロッコリーの新芽「ブロッコリー・スプラウト」に含まれる解毒・抗酸化作用のあるスルフォラファン。
スルフォラファンは、酵素を体内で増やすだけでなく、ガンの予防やピロリ菌減少の効果なども報告されている。
ちなみに、スプラウトには親野菜であるブロッコリーより約20倍もスルフォラファンが含まれている。
【食品によるピロリ菌除去の可能性について】
前出のポール・タラレー博士の研究は日本で引き継がれた。2005年に筑波大学医学部の谷中昭典博士は、米国ガン学会主催の国際会議において「食品によるピロリ菌除去の可能性」を発表した。
この研究は、保菌者にスーパースプラウトを1日あたり70グラム食べてもらい菌を計測。スーパースプラウトを摂取している期間はピロリ菌が減少したことから、その有効性が確認された。
【ファイトケミカルのひとつ、スルフォラファンとは】
ブロッコリーとブロッコリー・スプラウトに含まれる特有成分のスルフォラファンは、ファイトケミカル(天然の化学成分)のひとつ。体内に取り込まれると、病気の予防効果を発揮する。抗酸化作用や解毒作用もある。
ある種の物質が体内に備わっている、発がん物質を解毒する酵素を誘導し、がんを予防する働きをもつことを発見したポール・タラレー博士が、その物質がスルフォラファンであることを突き止めた。
老化を予防する抗酸化作用が長く続くことでも知られ、その持続時間は約3日といわれる。ピロリ菌の除菌に役立てたければ、毎日でなくとも週2回以上食べるだけでいい。
なお、スルフォラファンの濃度がもっとも高いのは発芽3日目のものだ。
【デザイナーズ・ピラミッドに含まれるブロッコリー】
1990年に米国国立がん研究所は、がんや生活習慣病に効果の高い食べ物をデザイナーズ・ピラミッドというピラミッド形の一覧にして発表した。
ピラミッドは3段階に分けられ、ピラミッドの上になるほど効果が高い。ブロッコリーは2段目に位置する。
【ブロッコリーについて】
キャベツやカリフラワーの仲間で、キャベツが変異した品種。地中海沿岸原産の野生のキャベツを改良した。頭頂部のつぼみと茎が食べられる。
緑の抗ガン野菜と呼ばれるほど高い栄養価を誇る。粘膜組織の生成や修復を促すビタミンUなどで胃腸を丈夫にする。特有成分のスルフォラファンは肝臓の解毒作用の働きも高める。
成分はビタミンB類・C・E、鉄、カルシウム、亜鉛、食物繊維、葉酸、ルチン、クロロフィルなど多数のファイトケミカルを含む。微量ミネラルのクロミウム(クロム)は、アメリカでダイエットサプリメントとして人気。
ブロッコリーの栄養価で注目すべきはビタミンCだ。レモンの2倍、ジャガイモの4倍もあり、100グラム食べれば1日の必要量を満たしてくれる。さらに胃の粘膜を保護して潰瘍をふせぐビタミンUも含んでいる。
ガンの予防、便秘、肌荒れ、動脈硬化、胃潰瘍、肥満、糖尿病の予防(クロム)、黄斑変性症、虚弱体質、貧血(鉄)、血圧を下げる(カリウム)のにおすすめの野菜だ。
エネルギーは100グラムあたり33キロカロリー。食べごろのシーズンは11月から3月(秋から春)。霜がでる季節のものが特に品質がよいとされる。夏にでまわるものは北海道産が多い。
店での選び方は、こんもりした形で盛り上がっているものが新鮮だ。色は鮮やかな緑色を選ぶ。芯は太く、茎の切り口にひび割れがないものを選ぼう。茎にスが入っているものは味も落ちるし栄養価も落ちる。
ブロッコリーは鮮度が落ちやすいので、買ってきたら黄色くなる前に調理しよう。ビタミンCを多く残す調理方法は蒸すこと。ゆでると栄養素がでてしまうため、電子レンジでチンしてドレッシングをかけると美味い。
ドレッシングやマヨネーズをつけて食べたり、炒めもの・揚げ物にすると脂溶性の栄養素も効率よく摂れる。
【ブロッコリー・スプラウト】
食べられる発芽野菜の総称。モヤシもスプラウトの仲間。ブロッコリー・スプラウトの見た目はカイワレ大根そっくり。
発芽後3日目のスーパースプラウトになるとスルフォラファンの作用が強く、発がん抑制効果は成熟したブロッコリーの20倍から50倍にもなる。1日に食べる量は7グラムで効果が期待できる。
スーパーやデパートの野菜売り場で購入可能。スーパースプラウトなら50グラム入りが200円くらいで購入できる。ただし、スプラウトという名前がついていてもスルフォラファンがほとんど含まれていない偽物も売られているため注意が必要だ。栽培セットや種も売られているので、自分で育ててみるのもいいだろう。
スーパーで売っていない、いちいち買うのは面倒ならばサプリメントもあるので活用したい。
食べる時は、とにかくよく噛むこと。
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