鉄欠乏性貧血がピロリ菌の除菌で治った例もある

鉄欠乏性貧血がピロリ菌の除菌で治った例もある

鉄欠乏性貧血がピロリ菌の除菌で治った例もある

 

胃の中にピロリ菌がいると、胃酸の分泌が低下し、鉄の吸収が阻害され、貧血が起きやすくなる。ピロリ菌は胃がんにも関連するため、早めの除菌を。

 

(日経ヘルス 2017年3月号より引用)

 

いくら治療しても治らない鉄欠乏性貧血が、ピロリ菌の除菌で治ってしまった例というのもあります。

 

(学研パブリッシング 最新版 貧血の人の基本の食事 より引用)

 

鉄欠乏性貧血は「小児期ではH.pylori(ヘリコバクター・ピロリ菌)関連疾患として重要である。特に10歳以降の年長児の原因不明の鉄欠乏性貧血児の約60〜70%がH.pylori感染があり、除菌成功した症例では貧血が治癒し再発を認めない」。

 

(小児感染症マニュアル2012 より引用)

 

H.pylori陽性例では鉄欠乏性貧血の治療として(ピロリ菌の)除菌治療を行うことを考慮してもよい。

 

H.pylori除菌が強く勧められる疾患「鉄欠乏性貧血」

 

(日本ヘリコバクター学会ガイドライン2016 より引用)

 

食事やサプリメントで鉄分をしっかり摂っているのに、貧血が改善しない。もしかしたら、あなたの胃にはピロリ菌がいるのかもしれない。

 

ピロリ菌が胃のなかにいると慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんになり、自覚症状がなくても胃の調子は悪くなる。胃酸の出も悪くなるため、鉄分をいくらとっても腸でちゃんと吸収されずに鉄欠乏が起こりやすくなる。体中が慢性的な酸素不足に陥る。

 

とくにいくら治療しても鉄欠乏性貧血が治らなければ、ピロリ菌の検査をしよう。もしも菌が見つかったら除菌をおすすめする。

 

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【貧血とは】

 

 

貧血とは、血液の中のヘモグロビンの量が減っているために、体に送られる酸素の運搬がうまくいかないこと。体中が酸素不足の状態になる病気である。

 

血液は約55%が液体で、約45%が細胞成分と呼ばれる赤血球、白血球、血小板からできている。赤血球のおもな成分は、ヘモグロビンと呼ばれるたんぱく質。

 

人間は呼吸をしなければ生きることができない。鼻や口でいくら呼吸をしても、体のすみずみまで酸素を届けるには、「酸素の運び屋」である赤血球のヘモグロビンの量が基準値であることが大切になる。

 

呼吸によって体内に吸い込まれた酸素は、肺でヘモグロビンと結びつく。新鮮な酸素を含んだ血液は心臓から動脈によって体中の組織に運ばれる。

 

肩の筋肉を構成する細胞に酸素が十分に運ばれなければ「肩こり」の原因になる。脳の細胞に酸素が届かなければ、「めまい」や「立ちくらみ」が引き起こされる。

 

鉄は赤血球の中心となる成分だが、ヘモグロビンの成分である鉄が不足するとヘモグロビンが十分につくれなくなる。酸素を運ぶヘモグロビンが少なければ、体内に十分な酸素が巡らず、全身が慢性的な酸素不足の状態になる。

 

 

 

【貧血大国・日本の現状】

 

 

2006年、虎の門病院血液科が健康な日本人女性1万3000人を調査したところ、50歳未満の22.3%は貧血で、うち25.2%は重度の貧血だった。また妊婦の30〜40%が貧血で発展途上国の56%に近かった。ちなみに先進国の平均は18%。

 

日本は貧血大国だ。

 

日本でもっとも多い貧血は鉄が不足する「鉄欠乏性貧血」で、貧血全体の7割を占めるといわれている。とくに偏った食生活や無理なダイエットが背景にあると考えられ、若い女性を中心に増えている。

 

 

 

【鉄欠乏性貧血について】

 

 

鉄欠乏性貧血は、なんらかの原因で鉄が不足している状態。食事から鉄の摂取が必要だが、ピロリ菌に感染していると鉄を摂っても吸収されにくく、貧血が改善されないこともある。

 

人間の体の中には鉄が3〜5グラム存在するといわれ、血液中の赤血球の重要な構成成分である。鉄の70%は血液中にあり、残りは筋肉や肝臓、皮膚などにある。

 

鉄は食事で取り入れ、肝臓や脾臓など体内に貯蔵鉄として蓄えられる。血液中の鉄分が不足すると、そこから補充される仕組みになっている。しかし、食事からの鉄分摂取が不足したり、成長期や妊娠で鉄の消費量が増えると欠乏することがある。

 

厚生労働省の食事摂取基準によれば、12歳以上の月経のある女性は、1日に10ミリグラムの鉄が必要とされている。しかし、若い女性の鉄摂取量は平均で8ミリグラムしかない。

 

鉄が体から不足する原因として

 

・痔や胃の潰瘍やガン、子宮筋腫による出血
・月経、妊娠、分娩、授乳(鉄が妊娠で胎児にとられる、母乳にも鉄が含まれる)
・食事に鉄分が不足している
・胃腸の粘膜に異常がある、胃の病気がある、胃を切除した
・成長期で鉄の需要が増える子供
・赤血球が破壊される病気

 

がある。

 

食品に含まれる鉄は、胃で胃酸によって溶かされることで体に吸収されやすくなる。鉄は吸収されにくい栄養素で、食品に含まれるもののうち体内に吸収されるのは、わずか10%といわれている。また鉄の吸収をよくするためにはビタミンCなど、ほかの栄養素も必要だ。

 

 

 

【鉄欠乏性貧血の症状】

 

 

鉄欠乏性貧血の症状は

 

・疲れやすい
・眠っても疲れがとれない
・動悸
・めまい
・階段で息切れする
・爪が弱くなる、割れる、へこむ
・顔色が悪い
・氷が好き
・頭痛

 

など。

 

特異的な症状は、口内炎や嚥下障害、スプーン状に薄く変形した爪、味覚が変わる、などがある。

 

 

 

【鉄欠乏性貧血の治療】

 

 

鉄欠乏性貧血の治療は、不足している鉄を経口鉄剤で補う。

 

鉄剤にはゆっくり鉄を放出して少しずつ吸収されるようにした薬と、鉄が吸収されやすいよう有機酸と結合させた薬がある。どちらも効果は基本おなじだが、人によって副作用の出方がちがう。副作用で多いのは吐き気、下痢、便秘、腹痛など。

 

子宮筋腫や月経異常、ピロリ菌の感染、潰瘍、大腸がんなどの治療を同時におこなう必要もある。

 

 

 

【貧血の血液検査】

 

 

貧血の血液検査では、ヘモグロビンの量、赤血球の数、血液中における赤血球の割合を調べる。

 

・Hb(ヘモグロビン量)男性14〜18g/dl 女性11〜15g/dl
・Ht(ヘマトクリット)男性40〜50% 女性35〜45%
・RBC(赤血球の数)男性430万〜570万個/μl 女性380万から520万個/μl

 

WHO基準によれば、ヘモグロビンの量は成人男性が13g/dl以下、成人女性・中学生が12g/dl以下、幼児・小学生・妊婦が11g/dl以下になると貧血とされる。お年寄りは10g/dl以下となる。

 

 

 

【ヘム鉄と非ヘム鉄のちがい】

 

 

厚生労働省が推奨する成人女性が食事で1日にとりたい鉄の量は10.5mg。じっさいにとっている鉄の平均量は約7.5mg。便や汗によって体外に排出される鉄の量が毎日1mgと考えると、鉄分不足は明白だ。

 

鉄欠乏性貧血を予防・改善するには、毎日の食事からの鉄分補給が基本になる。食品に含まれる鉄分には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類がある。

 

肉・魚、卵・乳製品など動物性食品に含まれるヘム鉄と、大豆・海藻類・野菜・穀物などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄。気をつけたいのは吸収率だ。ヘム鉄の吸収率は15〜20%、非ヘム鉄の吸収率は2〜5%とかなり違う。ヘム鉄は小腸で直接吸収されるが非ヘム鉄はビタミンCや消化酵素、胃酸の助けを借りて、ヘム鉄に変換しなければ小腸で吸収されないためだ。

 

だから非ヘム鉄を摂るときは、吸収率をアップさせるためにビタミンCが豊富な緑黄色野菜(パセリ、ブロッコリー、赤ピーマン、ゴーヤ、ケール)、フルーツ(パイナップル、パパイヤ、柿、グレープフルーツ、アセロラ)、酢、梅干しなどとあわせて食べよう。

 

 

 

【吸収率の高いヘム鉄を食品から摂るならコレ】

 

 

鉄分を食品から補給するためには、吸収率の高いヘム鉄から摂るのが効率的。ヘム鉄を多含むのは豚レバー、鶏レバー、生の卵黄、馬肉、めざし、牛レバー、アサリ、カツオ、クロマグロがある。肉は色が赤ければ赤いほど鉄の量は増える。

 

ヘム鉄を効率よく食べることができる料理は酢豚。吸収率の高いヘム鉄を含む豚肉、血流を改善する酢、パイナップルは野菜の非ヘム鉄をヘム鉄に変換するビタミンCを含むためだ。

 

 

 

【非ヘム鉄を食べるなら青のりが最強】

 

 

そのままでは小腸に吸収されない非ヘム鉄。だからといって動物性食品のヘム鉄を肉からばかり摂るのは食品バランス的におすすめできない。

 

非ヘム鉄を多く含む食品は青のり、岩のり、焼のり、ゴマ、きな粉、干しひじき、納豆、小松菜、干しぶどう、ホウレンソウがある。とくに青のりは100g中、77.0mgとケタ違いに鉄含有量が多い。携帯用の青のりを持ち歩き、家だけでなく職場や外食先でも鉄分補給をするようにしたい。

 

 

 

【鉄分の吸収を妨げる食べ合わせに気をつける】

 

 

貧血を予防・改善するために食事から鉄分を摂ろう。だが、せっかく鉄分を摂っても体への吸収を妨げる食べ合わせがある。

 

まず食物繊維。とりすぎると腸に残った鉄分を体外に排出させる。つぎに玄米や麦芽に含まれるフィチン酸。フィチン酸も鉄と結びつき体外に排出させる作用がある。この2つは鉄との相性がよくないだけで、体によい成分なので工夫して摂りたい。

 

牛乳やチーズに含まれるカルシウムも鉄の吸収を阻害する。そこで、カルシウムを多く含む食品はメインの食事から30分以上あとで食べるのが理想的だ。

 

最後にリン酸塩。ハム、ソーセージ、カップラーメン、スナック菓子などの加工食品に含まれる食品添加物で、鉄の吸収を阻害する。リン酸塩はとる必要がない物質なので、とらないようにしよう。

 

 

 

【おやつは菓子でなくドライフルーツを食べる】

 

 

おやつに菓子を食べるなら、ドライフルーツを食べよう。生のフルーツを乾燥させたドライフルーツには鉄分の含有量が多く、保存もきく。鉄が多く含まれるドライフルーツは、干しぶどう、ドライあんず、ドライいちじく、ドライブルーベリー、ドライプルーンなど。

 

ただし、フルーツは糖分が高めなので摂りすぎに注意したい。

 

 

 

【鉄分を効率よく食べる方法】

 

 

鉄欠乏性貧血を予防・改善するには食事から鉄分を摂るのが早道だ。ヘム鉄を多く含む動物性食品、非ヘム鉄を多く含む植物性食品を積極的にとろう。

 

鉄分を胃腸で消化吸収させるためには、早食いせずによく噛む。よく噛むことで唾液が分泌され、胃酸の分泌も活発になるので消化吸収力が高まる。

 

 

 

【血液を増やすために質のよい睡眠をとる】

 

 

寝ているあいだは血液が作られる時間なので、23時までに寝るようにしたい。どうしても23時までに寝れないときは、30分以内の昼寝をとる。

 

人間はホルモンの一種であるメラトニンによって、夜眠くなる。メラトニンは朝日を浴びることで減少し、15時間後にまた分泌されて眠くなるリズムをもっている。朝日を浴びることで体内時計もリセットされる。朝起きたらすぐに太陽の光を浴びよう。夜の寝つきがよくなる。

 

また朝食をたべることで体内時計もリセットされる。質のよい睡眠と鉄分補給のために朝食は必ずとろう。

 

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