ピロリ菌を検査で早期発見することの大切さ

ピロリ菌を検査で早期発見することの大切さ

ピロリ菌を検査で早期発見することの大切さ

 

【ピロリ菌を早期発見する必要性】

 

ピロリ菌は、胃の粘膜に住み着く細菌で、感染すると胃潰瘍や胃がんを起こす可能性が高まる。

 

胃がんになった人の95%以上がピロリ菌に感染した人たちだ。

 

ピロリ菌に感染するのは、たいてい免疫力の弱い5歳以下の幼少期。おもに人の口から口に感染する場合と、排泄物を介して感染する場合があるといわれ、母親から子への感染が多いと考えられている。自然にピロリ菌が消失することはまれながら、一度除菌してしまえば再発(再感染)することはほとんどない。

 

感染しても自覚症状がなく、何十年と感染したことに気づかないことも多い。そのため自分が知らないうちに自分の子供や孫に伝えてしまう可能性もある。

 

感染期間が長ければ長いほど胃がんを発症しやすくなるため、できるだけ早く除菌することが望ましい。

 

ぴろりんは、50歳を超えて慢性胃炎をこじらせ、萎縮性胃炎になって初めて感染していたことを知った。

 

1994年のピロリ菌感染率では、40歳を境に感染率がドカンと増加している。40歳代で70%以上、65歳以上では80%が感染しているので、65歳以上のひとは自覚症状がなくても必ず検査を受けよう。

 

 

 

【自覚症状がなくてもピロリ菌検査が必要なひと】

 

 

以下の条件がひとつでも当てはまる中学生以上の人は検査をしよう。

 

・親や兄弟にピロリ菌の保菌者がいる
・親や兄弟に胃がんの患者がいる
・タバコを吸っている
・塩辛いものが大好き
・胃痛がある

 

3つ以上、思い当たることがあればピロリ菌がいる可能性がある。

 

・親から小さいころ口移しで食べ物を与えられた
・小さいころ、井戸水を飲んでいた
・口臭がアンモニア臭い
・空腹時に胃が痛くなる
・すぐ満腹になる
・ストレスもないのに食欲が落ちる

 

 

 

【胃がん以外の病気の予防にもなる早期発見】

 

 

ピロリ菌の発見と除去は、胃がん以外の病気の予防にもなる。

 

日本ヘリコバクター学会のガイドラインに示されたピロリ菌と関係がある、あるいは疑われる病気の一覧だ。

 

>>ピロリ菌感染症

 

・ピロリ菌感染胃炎
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃
・胃マルトリンパ腫
・胃過形成性ポリープ
・機能性ディスペプシア
・免疫性(突発性)血小板減少紫斑病
・鉄欠乏性貧血

 

>>ピロリ菌との関連が推測されている疾患

 

・慢性じんましん
・Cap ポリポーシス
・胃びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
・直腸マルトリンパ腫
・パーキンソン症候群
・アルツハイマー病
・糖尿病

 

ピロリ菌には、キャグエー(cagA)というタンパク質を作る陽性菌株とつくらない陰性株があり、日本人の感染者のほぼ100%が発がん性の高いキャグエー陽性株のピロリ菌だ。

 

このキャグエータンパク質が血流に乗り、胃だけでなく全身に影響を及ぼしていることがわかってきた。

 

 

 

【ピロリ菌検査で陰性でも大丈夫ではない理由】

 

 

ピロリ菌検査で陰性だった。これでもう大丈夫。しかし、検査で陰性だったこととピロリ菌に感染していないことは同じではない。

 

ピロリ菌が陰性だけど、胃がんのリスクは非常に高い人がいる。

 

ピロリ菌陰性のパターンとしては以下の5つ。

 

・ピロリ菌がいない
・いたけれど菌が棲めないほど胃が荒れていない
・除菌したからいない
・過去に風邪などで抗生物質を飲んだ時に知らないうちに除菌されていた
・本当は菌がいるのに、胃薬を飲んでいて検出できなかった(偽陰性)

 

だ。

 

 

とくに胃がんのリスクが非常に高いひとは、ピロリ菌でさえも棲むことができなくなった胃だ。

 

正常な胃を緑豊かな森にたとえると、ピロリ菌が荒らし、荒らした張本人でさえも生きることができなくなった死の砂漠といえばわかるだろうか。

 

 

 

【ピロリ菌の検査方法】

 

 

ピロリ菌の検査には2種類の方法がある。

 

・内視鏡を使う方法
・内視鏡を使わない方法

 

だ。内視鏡とは胃カメラのこと。

 

のっけからグロテスクな画像で申しわけないが、一番上の画像はぴろりんの胃の中を撮影したものだ。胃カメラ検査が終わったあと、医者からもらった。

 

正常で健康な胃の表面はみずみずしく「ひだ」がある。ピロリ菌に感染して慢性胃炎や萎縮性胃炎になると、炎症による腫れが原因で「ひだ」がほとんどなくなる。ぴろりんの胃の中はまっ平らだった。

 

それと感染してから年月が長い高齢者は、胃の粘膜が全体的に赤くなり、ザラザラした状態で、粘膜の「ひだ」もほとんどなくなっていることがある。

 

それでは検査方法について説明しよう。

 

 

 

【内視鏡を使う検査方法】

 

 

内視鏡(胃カメラ)で胃の中の様子をみつつ、採取した胃の組織を調べる3つの方法がある。胃炎や胃潰瘍があって、ピロリ菌の検査をする場合は健康保険が使える。検査費用は自費負担で約1万5000〜2万円程度。

 

・迅速ウレアーゼ試験
・鏡検法
・培養法

 

ピロリ菌の検査は、これらのうちいずれかで行うが、ひとつより複数の検査を行えば、より確かな判定ができることは言うまでもない。

 

>>迅速ウレアーゼ試験

 

ピロリ菌のもつ酵素の働きによって作り出されたアンモニアを調べることで、ピロリ菌がいるかどうかを調べる方法。

 

>>鏡検法

 

採取した組織を染色して、顕微鏡で観察する方法。

 

>>培養法

 

採取した組織を培養して、ピロリ菌が増えるかどうか調べる方法。

 

 

 

【内視鏡を使わない検査方法】

 

 

胃カメラを飲まずにピロリ菌の有無がわかる検査方法も3つある。

 

・抗体測定
・尿素呼気試験
・便中抗原測定

 

だ。

 

感染が判明したら、胃の内視鏡検査が行われる。胃の粘膜の状態や、胃炎が起きていないか、胃がんがないかなどの病気を調べるためだ。

 

>>抗体測定

 

血液や尿を採取して、ピロリ菌の有無を調べる方法。検査費用は自費負担で約2000〜3000円。

 

通常の血液検査のさいに「ピロリ菌検査もしてくれ」と希望し、追加金額を払えば血糖値などと一緒に結果がでる。

 

メリットは、もっとも手軽に行えること。デメリットは偽陽性(ぎようせい)例、偽陰性(ぎいんせい)例が存在することだ。

 

偽陽性とは菌に感染していないのに「いる」と結果がでること、偽陰性とは菌に感染しているのに「いない」と結果がでること。

 

感染直後や免疫異常のある場合は陽性とならず、陰性なのに陽性となることがある。除菌成功後も抗体の陰性化あるいは有意な低下に1年以上かかることがある。

 

>>尿素呼気試験

 

検査用の薬を飲み、一定時間したあとに吐き出された息を調べ、ピロリ菌に感染しているか調べる方法。検査費用は自費負担で約8000円。

 

信頼度が高く、迅速な検査法。感染診断だけでなく、除菌判定としても有用だ。ただし一部の薬によって、偽陰性(菌がいるのに、いないという検査結果がでること)となることがある。

 

>>便中抗原測定

 

便を採取して、ピロリ菌抗原があるかどうか調べる方法。検査費用は自費負担で約3000円。

 

簡単に感染診断が、除菌判定ができる。小児科でも使われている。ただし、水のような便では便中の抗原が薄くなって偽陰性となることがある。

 

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【ピロリ菌の検査が健康保険で受けられる病気】

 

 

健康保険でピロリ菌の検査が受けられる病気は以下になる。

 

・内視鏡検査(胃カメラ)で診断された胃炎
・バリウム造影または内視鏡検査で診断された胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・胃マルトリンパ腫
・早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃
・免疫性(突発性)血小板減少性紫斑病

 

ピロリ菌に感染していれば、必ず胃炎があるから保険でピロリ菌の検査が受けられるうえ、さらに保険で除菌もできる。これは世界でも日本だけの素晴らしい医療制度だ。

 

行政のおこなう胃がん検診でもピロリ菌の検査が受けられる。胃がんリスク層別化検査(旧ABC検診)と呼ばれ、血液検査で感染と胃粘膜の萎縮状況を調べる。結果によって内視鏡検査を受け、ピロリ感染胃炎と診断されれば保険で除菌療法が受けられる。

 

 

 

【胃がんリスク検診について】

 

 

日本人の3人に1人が感染しているピロリ菌。最近はピロリ菌に感染しているかどうかがわかる「胃がんリスク検診(ABC検診)」を実施している自治体も増えてきた。

 

がんリスク検診とは、がんのリスクが高い人に絞って定期的に検査を受けてもらうものだ。気になる人は受けてみるといい。がんは、ある程度リスクの高い人がいることがわかっている。ならば、該当する人たちに限定して検査を受けてもらったほうがいい。

 

胃がんリスク検診(ABC検診)とは、自治体などでおこなわれる血液検査だ。ピロリ菌の有無をHp抗体で、胃の炎症や胃粘膜の萎縮はペプシノゲン値をみる。血液を採るだけで簡単かつ安く調べることができる。

 

Hp抗体とペプシノゲン値の検査結果に基づき、胃がんリスクを以下の4つの段階で評価する。

 

A 感染なし 萎縮なし
B 感染あり 萎縮なし
C 感染あり 萎縮あり
D 感染なし 萎縮あ

 

ABC分類で、A群ならばピロリ菌にも感染しておらず健康な胃粘膜で萎縮の可能性は非常に低い。B群は感染しており、胃潰瘍に注意が必要。胃がんの可能性は少数ながらある。胃粘膜の萎縮はないか、低い状態。C群になると慢性胃炎から胃粘膜の萎縮が進んでいる。D群になると、ピロリ菌陰性ながらピロリ菌が棲めないほど胃粘膜の萎縮が進んでしまった可能性が高い。ぴろりんはCの段階だったことになる。

 

年間の胃がん発生頻度は、A群がほぼゼロ。B群が1000人に1人。C群が500人に1人。D群になると80人に1人になる。これまでの研究から、Aに比べてBは約5倍、Cは約10倍、Dは約15倍、胃がん発生のリスクが高いことがわかっている。

 

検査の結果、Aならば1回だけ内視鏡検査を受けて異常がなければ、症状がある時以外は胃がん検診を受ける必要はない。BからDの人は胃がんになるリスクが高いので、定期的な内視鏡検査を受けたほうがいい。もちろんピロリ菌に感染していれば、抗生物質による除菌が推奨される。

 

 

 

【自費での検査について】

 

 

人間ドックで自費による検査が受けられる。費用は医療機関によって異なる。検査の結果、ピロリ菌がいれば、保険で除菌療法と除菌判定検査が受けられる。

 

そのほか「ピロリ菌感染認定医」による自費での検査が受けられる。相談は日本ヘリコバクター学会のホームページを見てほしい。

 

 

 

【抗生物質で除菌ができない人もいる】

 

 

薬剤アレルギーのある人、重い腎臓病・肝臓病の場合、除菌療法をおこなうことは難しい。

 

また80歳以上で腸上皮化生を伴う高度な胃粘膜萎縮がある場合、胃がんの予防効果が少ない。さらに腎機能が悪いときは積極的に除菌を行う必要はないと考える。

 

副作用の心配が少ない食品のLG21乳酸菌入りヨーグルトマヌカハニーを食べよう。

 

 

 

【人生初の胃カメラ体験を語ってみる】

 

 

ぴろりんは、会社の健康診断で萎縮性胃炎であることがわかった。

 

そこで胃カメラ検査のできる病院をインターネットで探し、会社近くのM医院に行った。できれば胃カメラなんて一生やらなくてすむのならやりたくなかったが、要精密検査ではやらないわけにはいかない。

 

胃の中をカメラで見る。とうぜん胃の中をカラッポにするために、前日の夜7時すぎは食事をしてはいけない。前回の診察時に胃カメラの説明書みたいなものをもらった。この説明書を読むかぎり、口(喉)だけ麻酔して意識を残したまま胃カメラを飲まされるものだと思っていた。

 

胃カメラを飲む日時を窓口で予約するとき「検査には2時間ほどかかります」「自動車での運転はできないので、公共交通機関で来るか、家族の人に運転してもらってください」と看護師さんに言われた。

 

渡された胃カメラの説明書には「30分程度の検査時間」とあったが、気にせず当日を迎えた。

 

喉の麻酔をしたあとベッドに寝かされ、口にマウスピースをはめる。麻酔がかけられ、ぴろりんは意識を失った。

 

2時間後、目が覚めると胃カメラ検査は終わっていた。

 

M医院は、麻酔で患者の意識がないうちに検査をしてしまう方法をとっていた。終わってみれば、この方法でよかったと思っている。いくら喉の感覚がなくても、胃カメラが出入りしているところは見たくない。検査で血を抜くとき、自分の血を見ると貧血気味になるため、注射から顔をそむける小心者のぴろりんであった。

 

医者によって、喉だけ麻酔のところや鼻からカメラを入れるところもある。初診時に気になることは窓口で聞いておこう。

 

胃カメラの検査結果は一週間後。妻へり子の運転で自宅に帰った。

 

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>>ピロリ菌の除菌後も定期的な検査が必要な理由


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