ラクトフェリンの併用でピロリ菌の除菌成功率が上昇した

ラクトフェリンの併用でピロリ菌の除菌成功率が上昇した

ラクトフェリンの併用でピロリ菌の除菌成功率が上昇した

 

ピロリ菌の培養に際してラクトフェリンの抗菌活性はピロリ菌にも及ぶことが確認され、動物実験やヒトへの投与試験も行われました。

 

ヒトに対して一日に牛ラクトフェリン0.4gを8週間投与して尿素呼気試験をしたところ、菌量をある程度反映するデルタ値の有意な低下が認められています。

 

ラクトフェリン単独での除菌は困難なようですが、除菌治療に併用して除菌成功率が上昇したという報告もあります。

 

(祥伝社 ピロリ菌 日本人6千万人の体に棲む胃癌の元凶 より引用)

 

 

 

【ラクトフェリンとは】

 

 

ラクトフェリン(LF)は哺乳類の乳に含まれるたんぱく質の一種。牛乳の乳清から発見された糖たんぱくで、鉄と強く結合する特性がある。とくに人間の出産直後の初乳に豊富だ。

 

人間では涙、唾液、膵液、血液などに含まれ、免疫力の活性化、歯周病や大腸がん予防の働きも注目されている。

 

ラクトフェリンが体内で作られる量は、40歳を境に徐々に落ちる。補充するには、食品など外から摂るしかない。

 

なおラクトフェリンは熱に弱いため、高温で加熱処理・殺菌される牛乳からは摂れない。現在では、牛乳から分離製造する技術が発達したため大量に製造することができるようになっている。

 

ラクトフェリンの生体における作用は以下の3つが挙げられる。

 

・微生物を抑制する作用
・抗炎症作用
・免疫調節作用

 

期待できる効果は内臓脂肪を減らす、免疫力を上げる、お通じの改善となる。月経困難症の痛みに関して効果が期待されているほか、更年期障害の改善に関する研究もおこなわれている。

 

日本やアジア諸国では、育児用ミルクにラクトフェリンが配合されている。欧米でも育児用ミルクへのLF配合による大規模臨床試験結果が報告されている。

 

 

 

【LFに内臓脂肪を減らす効果】

 

 

小腸から吸収されたラクトフェリンは内臓脂肪に運ばれ、脂肪の分解を促進するとともに脂肪の蓄積を抑えることがわかった。この2つの作用で内臓脂肪を低減させると考えられる。

 

内臓脂肪を減らす効果は、2008年にライオンと京都府立大学、名古屋市立大学大学院が共同で行った臨床試験で証明されている。

 

肥満の男女26人を2群に分け、ラクトフェリンを含むサプリメントと偽サプリメントを2か月摂取。摂取開始8週間後、ラクトフェリン群では腹囲、内臓脂肪面積(CT撮影による)、体重が有意に減っていた。実験終了1か月後もリバウンドはみられなかった。

 

(出典 科学と生物 49,1,15-21,2011)

 

 

 

【LFの免疫力アップ効果】

 

 

ラクトフェリンは母乳、とくに初乳に多く含まれる。これは抵抗力の弱い乳児を病原菌などの感染から守る重要な成分と考えられている。

 

風邪予防で考えるのであれば、サプリメントを口の中で溶かすのもいい。喉の粘膜で抗ウイルス作用を発揮するし、口内炎や歯周病にもよさそうだ。

 

森永乳業が行ったマウスの実験では、インフルエンザにマウスが感染するまえにラクトフェリンをとらせると、肺炎症状が軽減された。また成人女性398人を2群に分け、ラクトフェリン600mgのサプリメントを3か月間毎日飲み続けてもらったところ、摂取群では風邪や下痢などの胃腸炎を発症した人数の割合が有意に低かった。

 

ラクトフェリンを含む牛乳で飼育したマウス消化管内の大腸菌群の増殖抑制および、口から投与したクロストリジウムの腸内増殖の抑制が認められた。乳児における呼吸器疾患の低減、幼児におけるロタウイルス感染症状軽減効果、超低出生体重児における遅発性敗血症のリスク低減効果も報告されている。

 

 

 

【LFの口腔ケア効果】

 

 

ラクトフェリン(LF)が歯周病菌に対して抗菌活性を示すこと、および歯周病患者への投与で歯周ポケット内歯周病菌数が低下することが確認されている。

 

(出典 近藤他 日本歯科保存学雑誌 2008)

 

歯周病菌のバイオフィルム形成をラクトフェリンは抑制する。

 

LFの歯周病菌バイオフィルムに対する試験管内抑制効果(Wakabayashi他、Antimicrobial Agents and Chemotherapy,2009)

 

さらにカンジダによっておきる口腔カンジダ症のマウスでも、LF投与後は口腔内菌数を減少させ、症状の改善効果を示した。

 

 

 

【サプリメントでLFを摂るさいの注意点】

 

 

40歳以降、健康を維持するためにもラクトフェリンは必要な成分なので積極的に摂取するようにしたい。

 

摂取の目安量は1日あたり100mg〜600mgとなる。腸の健康のためなら100g、ダイエットなら300mg、風邪対策なら600mg。

 

内臓脂肪を減らすことが目的ならば、研究結果が示した1日300mgを摂取しよう。食品なら、ナチュラルチーズ約100g、カマンベールチーズなら約1箱となる。食品でこの量を毎日摂るのは難しい。そこでサプリメントの出番になる。

 

ダイエット目的でラクトフェリンのサプリメントを摂る場合は、腸で溶けるものを摂取しよう。

 

実験では胃の酵素で溶かしたものと腸の酵素で溶かしたものを脂肪細胞に添加したところ、腸の酵素で溶かしたもののみ脂肪を減らす結果が出ているためだ。ライオンのナイスリムエッセンスは脂溶性カプセルを使用して腸までラクトフェリン300mgを届けてくれる。

 

 

 

 

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