赤ワインにはピロリ菌の殺菌作用もある
赤ワインには、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の殺菌作用もある。カリフォルニア州立大学フレズノ校の実験では、市販の赤ワインなどが15分以内にピロリ菌の増殖を阻害したという結果がでている(1996年発表)。
(出典 日経BP社 酒好き医師が教える最高の飲み方)
赤ワインに含まれるポリフェノールの一種「レスベラトロール」を添加した培地で培養するとピロリ菌が殺菌されることも報告されている。
イギリスの研究によれば、毎日グラス1杯のワインを飲んでいる人は、ピロリ菌やバクテリアによる感染症・胃炎・潰瘍・胃癌の発症率が11%低いこともわかっている。
ピロリ菌は胃かいようの原因にもなる。
人間の胃のなかはとても強い酸性なのに、ピロリ菌は生きることができる。その理由はピロリ菌がウレアーゼという酵素を作れるからだ。ウレアーゼは尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する。そしてアンモニアは胃酸を中和する。だから胃にウレアーゼがあれば、その人はピロリ菌に感染していることがわかる。
【薬をアルコールで飲んではいけない】
除菌療法中は酒(アルコール)を飲まないほうがいい。そして薬をアルコールで飲んでは絶対にいけない。薬は水で服用するのが大原則だ。
薬をアルコールで飲むと、薬の効き方や副作用が増強されてしまう危険性がある。薬が効きすぎてしまうのだ。薬は肝臓で代謝される。そのとき使われるのがチトクロームP450などの代謝酵素だ。じつはアルコールもこの代謝酵素で分解される。
アルコールによって代謝酵素が使われると、薬を代謝する酵素が使われてしまう。本来であれば薬だけで代謝される酵素が減ることで、血中に余分な薬の成分が入ってしまう。より多くの薬を飲んだことになる。
また日常的にアルコールを常飲していると、薬を代謝しすぎてしまい効きにくくなる。
【ヨーロッパの自家製薬酒 たまねぎ赤ワイン】
たまねぎ赤ワインは、ヨーロッパの家庭で伝統的に作られてきた自家製薬酒だ。たまねぎも赤ワインのどちらも体内の脂質の代謝をよくする働きがある。たまねぎのケルセチンは脂質代謝を改善する効果があり、赤ワインのレスベラトールには内臓脂肪を抑制する効果があるという論文が発表されている。
>>たまねぎ赤ワインの作り方
材料はたまねぎ1〜2個。赤ワイン400〜500ml。密閉容器を用意する。
たまねぎを洗い、茶色の薄皮をむき適当な大きさに切る。密閉容器にたまねぎを入れ、赤ワインを注ぐ。冷暗所で3日ほど寝かせる。3日たったらザルでたまねぎだけを取り出す。赤ワインは密閉容器に戻して冷蔵庫で保存する。1日1杯、50mlを夕食前にチビチビと飲む。アルコールなので車の運転前には飲まないようにしよう。
取り出したたまねぎは捨てずにそのまま食べる。または肉や野菜と炒めて食べるといい。たまねぎにもアルコールが含まれていることを忘れずに。
>>毒出し赤ワインの作り方
毒出し赤ワインは赤ワインにシナモンと生姜を加えて温めて飲む薬酒だ。シナモンと生姜には発汗を促す作用がある。血流を改善し、血管を若返らせる効果が期待できる。
材料は2人分で、赤ワイン200ml。シナモンパウダー小さじ半分、すりおろした生姜を小さじ1杯。
作り方は鍋に赤ワイン、シナモンパウダー、すりおろした生姜を入れる。鍋を火にかけて沸騰させる。沸騰したら弱火にして、時々かきまぜながら5分ほど煮てできあがり。