ピロリ菌の除菌後も定期的な検査が必要な理由

ピロリ菌の除菌後も定期的な検査が必要な理由

ピロリ菌の除菌後も定期的な検査が必要な理由

 

「ぴろりんさん、今後は1年に1回は内視鏡検査を受けてくださいね」

 

内視鏡(胃カメラ)を飲んだら、胃の中にピロリ菌がいることがわかった。そして除菌療法の薬を処方すると医者が言ったあと、当然のようにつけくわえた。

 

え?ピロリ菌を除菌すれば、もう胃がんになる心配はないんじゃないの?

 

ぴろりんはそう思った。本気と書いて「マジ」と読むくらいに思った。じっさい、医者の台詞を聞いたときはマジ?と思った。あの苦しいというか、面倒くさくて時間のかかる胃カメラ検査を、これから毎年受けなければならないのだ。

 

 

 

【ピロリ菌除菌後の副作用。逆流性食道炎】

 

 

ピロリ菌を除菌する。退治するということは、胃が元の状態に戻ることだ。元気になるといってもいい。これまで萎縮性胃炎で胃酸があまり出なかったぴろりんの胃からは、胃酸が活発に出るようになる。

 

除菌によって胃酸が活発に出るようになると、増えた胃酸が逆流して食道の粘膜(おもに胃に近い部分である下部食道)を傷つけてしまうことがある。これを逆流性食道炎という。胃がんになるリスクは減っても、逆流性食道炎から食道がんになるリスクも発生するわけだ。

 

胃の調子がよくなり、ごはんがおいしくなれば、ついつい食事を食べ過ぎてしまう。体重が増えれば腹圧がかかるから、さらに胃酸は逆流しやすくなる。逆流性食道炎が悪化すれば、食道がんができることもあり、欧米での食道がんの半分以上はこの逆流性食道炎が原因だ。

 

ではピロリ菌を除菌しないほうがいいかといえばそんなことはない。そもそも胃の調子が元に戻るのは異常から正常に戻ることなわけだし、いくらごはんが美味くても太らないように本人が気をつければいい。

 

たとえ逆流性食道炎になっても胃酸を抑える薬だってある。逆流性食道炎をコントロールすることは可能だ。

 

胃液の分泌は就寝中が最も活発になる。夜遅い食事をすると胃の内容物が食道に逆流しやすくなってしまう。肥満予防もかねて、就寝する3時間前に食事をすませておこう。

 

あと胃カメラ検査をすれば、同時に口と胃をつないでいる通り道である食道を観察できる。ピロリ菌の除菌後に定期的に胃カメラ検査をすることは、食道がんの検診も兼ねていることになる。

 

 

 

【ピロリ菌を除菌しても胃がんリスクはゼロにならない】

 

 

そうは言われても、やっぱり年に1回なんて胃カメラを飲みたくないよ!と思うあなた。

 

あなたの胃は何十年もピロリ菌に痛めつけられ、慢性胃炎、萎縮性胃炎の状態だったことを忘れてはいけない。痛みや自覚症状はなくても、ずっと胃が不調だったことは何も変わらない。

 

もう、時限爆弾のスイッチは押されてしまった。

 

たとえ途中の導火線を消しても、消えた導火線にまたいつ火がつくかわからない。それだけは忘れないでほしい。

 

なにより、胃がんや大腸がんは早期発見すれば90%以上治る。これは全国がん成人病センター協議会の臨床病期別の5年生存率からわかる。早期に発見できたがん(ステージ1期)の5年生存率は、胃がん97.2%。大腸がんは99.0%だ。

 

ピロリ菌を除菌することが胃の健康にどれだけ貢献するか、データがいろいろと出ている。

 

たとえば慢性胃炎の患者を除菌したグループとしないグループを10年かけて追跡調査ところ、除菌したグループは胃の萎縮が進まないことが明らかになった。

 

また中国の研究でも、除菌したグループと除菌しなかったグループの胃がん発生率は、除菌をした方が少なかった。この研究では、除菌したときに胃の粘膜の萎縮が進んでいなければいないほど、胃がんの発生が抑制されることもわかっている。

 

ピロリ菌による胃の粘膜の萎縮は感染した期間が長ければ長いほど進む。感染期間が長いほど胃も傷む。だからピロリ菌を除菌するのであれば、可能なかぎり若いうちにしよう。

 

 

 

【ピロリ菌の除菌のみで胃がん撲滅はできない】

 

 

除菌をしても胃がんの撲滅はできない。残念ながら胃がんの発生を抑制できない人が確実にいる。

 

萎縮性胃炎や腸上皮化生になった胃は、胃がんになる素地ができてしまった。水は冷やして氷になっても溶ければ元の水に戻る。しかし、生卵は加熱されてゆで卵になってしまったら元には戻らない。

 

あなたの胃も同じだ。

 

除菌の胃がん予防効果は若いほど有効といわれている。胃がんになるリスクを下げたければ、できるかぎり若いうちに除菌をしよう。逆に60歳以降の年代では、除菌による胃がん発生の抑制率は50%を割っている。

 

ピロリ菌を除菌したからと安心して検診を受けなくなる傾向があるが、50歳以上で除菌をしたのなら、毎年胃カメラを飲んで検診をする必要があると認識しよう。

 

 

 

【尿素呼気試験法の体験記】

 

 

抗生剤による1次除菌のあと、約3ヵ月後にピロリ菌が本当に除去されたか医者で確認した。

 

尿素呼気試験は、まず1回目の呼気を採取する。大きく息を吸って5つ数えたら指定された袋に息を吹き込む。そのあとウレアーゼという錠剤を100CCの水で飲み、体の左側を下にして5分ほどベッドに横になる。

 

5分したらベッドから体を起こし、15分ほど座る。そして、もう一度同じように呼気を採取する。これで薬を飲む前と飲んだあとの呼気を比較する。

 

 

ピロリ菌はウレアーゼという酵素により、胃の中の尿素を分解して、アンモニアと二酸化炭素を生成する。尿素の分解により、アンモニアと同時に生じた二酸化炭素は速やかに吸収され、血液から肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄される。

 

尿素呼気試験

 

尿素呼気試験法は、ピロリ菌に感染していると尿素が分解されるため呼気に二酸化炭素が多く検出される。逆にピロリ菌に感染していない場合、尿素が分解されないため二酸化炭素はほとんど排出されない。

 

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